mikami lab.@名古屋大学 大学院環境学研究科 環境政策論講座

名古屋大学大学院環境学研究科 環境政策論講座の三上直之のサイトです。2023年10月に北海道大学から現所属に異動しました。

メンバーのページを更新しました

新しい年度になりましたので、研究室のメンバーのページを更新しました。

杉山滋郎名誉教授が退職され、遠藤恭平さん、小松美由起さんが修士課程を修了しました。また三上の担当では、櫻木正彦さん、岡本明子さんがCoSTEP研修科を修了しました。

修士課程には、新たに小坂有史(こさか・あみ)さんが入学しました。川本思心准教授を指導教員として「サイエンスカフェ活動を行う上での主催者組織内におけるコミュニケーションのあり方」(仮)のテーマで研究します。

杉山滋郎先生のご退職によせて


当研究室の杉山滋郎(すぎやま・しげお)特任教授は、本日をもって北海道大学を退職されます。

杉山先生のご専門は近代日本を中心とする科学史や、科学技術コミュニケーション。1950年、富山県高岡市生まれ。東京工業大学理学部を卒業後、東京大学大学院で科学史を専攻。筑波大学専任講師などを経て、1991年、北大理学部に助教授として着任されました。95年に大学院理学研究科(当時)教授、2014年に理学研究院特任教授。これまで25年間にわたり、本学の理学部や大学院理学研究科・理学院などで、科学史を中心とする科目を担当され、また数多くの大学院生を指導されました。代表的な著作に『中谷宇吉郎〜人の役に立つ研究をせよ〜』(ミネルヴァ書房)や『北の科学者群像 〈理学モノグラフ〉1947-1950』(北海道大学図書刊行会)、『日本の近代科学史』(朝倉書店)などがあります。

2005年にはCoSTEP(現・科学技術コミュニケーション教育研究部門)を立ち上げ、約9年間、その初代代表を務められました*1。その間に輩出された600人近い修了生*2は、大学や研究機関、学校・教育関係、マスメディアをはじめ、官公庁、民間企業、NPOなどの幅広い領域で、科学技術と社会の橋渡し役として活躍しています。

CoSTEPは当初、杉山先生らが科学技術振興調整費の支援を獲得して、発足しました*3。振興調整費による支援が2010年春に終了した後も、CoSTEPはそのままの規模で、北大の教育組織として活動が継続され、現在の科学技術コミュニケーション教育研究部門へと発展します。先生は、外部の競争的資金を獲得して科学技術コミュニケーションの教育プログラムを一から立ち上げ、それを大学の正規の教育組織として定着・発展させるため、10年以上にわたり先頭に立って尽力されました。

北大における科学史、科学概論や関連分野の教育は、戦前の北海道帝国大学時代にまでさかのぼるそうです。こんにちにまで至るその系譜を、杉山先生がこのたび、「北大における科学史の教育・研究の歴史」と題する文章にまとめてくださいました。私はこの作品を通じて初めて、当研究室やCoSTEPの源流についてまとまった形で知ることができました。北大の機関リポジトリにおいて無料で公開されています。

杉山滋郎「北大における科学史の教育・研究の歴史」、2016年3月
http://hdl.handle.net/2115/60889

個人的な話になりますが、私にとって大学教員としてのふりだしは設立当初のCoSTEPの特任教員を務めた3年1カ月間です。当時私は、博士課程を単位取得退学した直後にCoSTEPに採用され、学位論文の作成を抱えたまま東京から北海道に赴任しました。新しい教育ユニットの立ち上げ業務のかたわら、夜なべして論文作成に取り組む毎日でしたが、先生はいつもおおらかに見守り、励ましてくださいました。論文審査のゆくえを心配して、東京の大学院で行われる論文審査会にまで駆けつけてくださったこともありました。

この時期に先生から、CoSTEPでの教育研究活動の一環として「遺伝子組換え作物に関するコンセンサス会議の企画運営」や「サイエンス・カフェを用いた科学技術コミュニケーターの実践教育」といったテーマを与えていただき、科学技術コミュニケーションの活動を通じて研究を進めるスタイルを学びました。

その後、学内で高等教育機能開発総合センター(現・高等教育推進機構)に異動してからも、大学院教育では理学院担当となり、杉山先生とともに当研究室(科学技術コミュニケーション研究室)に所属しました。先生のもとで、受け持ちの大学院生らの指導にあたりつつ、BSE問題に関する討論型世論調査などの大型プロジェクトに共同研究者として参加させていただきました。

今月は先生のご退職を祝う行事がつづき、そうした席で私も、4月からの生活について先生が話されるのをうかがう機会がありました。ご退職後もさらに研究に没頭される日々となりそうだとお見受けしました。これまでの先生のご指導に心からお礼を申し上げますとともに、引き続きよろしくお願いいたします。いつも飄々としていながら、人並みはずれたバイタリティで私たちを驚かせ、勇気づけてくださった先生の、ますますのご健勝を祈念しております。*4

*1:正確には8年9カ月間で、その内訳は次のようになります。2005年7月〜2010年3月は科学技術コミュニケーター養成ユニット代表、2010年4月〜9月は高等教育機能開発総合センター科学技術コミュニケーション教育研究部長、2010年10月〜2014年3月は高等教育推進機構高等教育研究部科学技術コミュニケーション教育研究部門長。

*2:杉山先生が代表を務めた2013年度までの修了者数。その後、2014・2015年度の修了生を合わせると約700人にのぼります。

*3:大学院理学院で同分野の修士・博士課程の教育を行う科学コミュニケーション講座も、このときに設立されました。

*4:写真は3月12日、フロンティア応用科学研究棟で開かれたシンポジウム「「デュアルユース」と名のつくもの 〜科学技術の進展が抱える両義性を再考する〜」(CoSTEPほか主催)で。CoSTEP撮影。

卒業式こぼればなし

このたび卒業・修了された皆様、論文博士を授与された皆様、改めておめでとうございます。

北海道大学の卒業式(学位記授与式)では、その場で実際に学位記をもらえるのは、各学部や研究科・学院の総代の学生のみです。その他多数の学生は、自分の所属する部局に戻ってから、そこで個別に受け取ることになります。

私の場合、最初に送り出した大学院修了生(三浦太郎君)が理学院の総代で、その年は式場に入らせていただきました。三浦君が総代を立派に務め、体育館から出てきたところで、一緒に上のような写真を撮りました。

担当学生の卒業式を初めて経験する私はあまり意識していませんでしたが、ここで三浦君の手に学位記があるのは彼が総代だったからで、周囲にいる多数の学生は、まだこの時点では学位記を持っていません。三浦君と私の背景には学位記授与式の立て看板もあります。式から出てきてすぐにこの写真が撮れたのは、非常に幸運だったわけです。

2年前に修了した郡伸子さんの場合、式の後、式場から往復20分くらいかかる理学院まで行って、学位記を受け取ってきました。式場の体育館は、ちょうどうちの研究室の前にあります。戻ってきた郡さんと一緒に、立て看板の前で記念写真を撮りました。

さて、今年の話です*1。郡さんのときと同じように立て看板の前で写真を撮ろうということで、理学院から戻ってきた遠藤君・小松さんとともに体育館前に行ってみると、なんと撤収作業が始まっていました!!

会場入り口の立て看板は、学部の式と、大学院の式とに分かれているのですが、大学院の立て看板は、すでに撤去された後でした。時間は午後1時40分頃。式が終わってから、まだ2時間もたっていませんでしたので、3人とも軽くショックを受けてしまいました。

でも気を取り直して、まだ残っていた学部(学士)の学位記授与式の看板の前で撮ったのが、この写真です。「北海道大学 学士学位記授与式 式場」と書かれているのですが、上の方をカットすれば「学位記授与式 式場」となるだろう(笑)という目論見です。学士の「士」の字が残っていますが、修士・・・と続くと考えれば、これでも合格でしょう。

というわけで、来年以降の学位記授与式に際して、式場入口の看板前で記念撮影をしようとお考えの方は、式の前か直後など、なるべく早めにされることをお勧めします。

*1:郡さんと今年の二人の間に、1年前に修了した吉田大輝君がいるのですが、彼の場合、修士2年に上がる春に北海道庁に就職しており、学位記授与式の当日も仕事がありました。授与式の後、研究室には顔を出してくれたのですが、残念ながら記念撮影をする余裕はありませんでした。それにしても、社会人1年目の忙しさの中で修論を仕上げ、2年で修了した吉田君の努力は素晴らしかったです。

遠藤さん・小松さんが修士課程を修了

きょうは北海道大学の卒業式(学位記授与式)でした*1。当研究室では、遠藤恭平さん・小松美由起さんが、めでたく理学院科学コミュニケーション講座の修士課程を修了しました。

遠藤さんは福島工業高専専攻科を卒業後、ここ科学コミュニケーション講座の修士課程に進学しました。高専時代は有機化学を学んでいた彼にとって、社会科学系の研究や論文の執筆は初めての経験であり、苦労も多かったはずです。在学中にはCoSTEP本科・研修科を受講したり、自主的にゼミや科学技術コミュニケーションの活動に取り組んだりと、意欲的に活動しました。それらの経験も生かし、最終的にはみごとに大部の修士論文「理工系学生にとっての科学技術コミュニケーション教育の意味に関する研究」を完成させました。終了後は出身地である福島県に帰って、化学メーカーに就職します。

小松さんは大学職員としての多忙な勤務の合間を縫って、講義を受け、研究に取り組みました。修士論文「大学広報における科学技術コミュニケーターの役割:広報誌制作過程の分析を中心に」は、ある年度にCoSTEP実習チームが担った、北大広報誌『リテラポプリ』の編集過程に1年間密着した参与観察の記録と分析を軸とした力作です。科学技術コミュニケーターが編集を担った広報誌の強みと課題を明らかにするため、約70人の模擬読者を対象としたモニター調査も行いました。小松さんが仕事や活動を通じて温めてきた問題意識が、綿密な調査を通じて結晶する論文となりました。


学位記授与式の後、二人が研究室に戻ってきたところで、私から、二人の学位記を全文読み上げ、授与させていただきました。一つ目の写真がその様子です。研究部の事務室の皆さんと、その場にいあわせた木村純先生に温かく見守られながらのミニ授与式となりました。そして学位記と一緒に記念撮影(二つ目の写真)。私にとっても、とても楽しく、うれしい瞬間です。その後、二人に修了を迎えての感想を聞かせてもらいました。

   ◇

ーーおめでとうございます。まずこの日を迎えての感想を一言ずつ聞かせてください。

遠藤:ありがとうございます。ついに(修士号が)手に入った、という感じです。小学生時代から合わせると20年間の長い学生生活がこれで終わりだなと思うと、高専時代の友だちの中でも自分は一番長く学生でいましたので、何だかとても感慨深いです。

小松:ホッとしています。働きながら4年間の学生生活は、本当に長かった。学部生時代の4年間はあっという間だったという印象ですが、それに比べると長く感じました。修士論文を本当に書き上げることができるのか、という不安がありましたが、今は、多くの人の協力を得ながら、自分で一つの論文を仕上げることができたという充実感があります。

ーー二人とも結果的に少し長居することになったわけですが、その間でとくに印象に残っていることは何ですか。

小松:私は、最初の年、大学広報誌の編集過程を参与観察させていただいたのですが、現場で起きていることを観察しながら、そこから何が言えるのかを考えるのが、本当に難しかった。観察結果を先生に報告すると、いつも「その現象の意味は何か」と問われつづけたのがつらかったけれど、その問いが研究を進める力になりました。研究の終盤、アンケート調査にも取り組んだのですが、それと比べると、参与観察から何かを言うことは難しいという印象があります。今は、フィールドワークの現場の皆さんが受け入れてくださったことに、心から感謝しています。振り返ってみて、私はとても恵まれていたと思います。

遠藤:調査に協力してくださった方々への感謝は、僕も全く同じ思いです。また僕の場合、修士1年目から2年目にかけてCoSTEPを受講(本科および研修科)できたのが楽しい思い出です。キャラクターの濃い受講生が集まって、実習などで一つのものを作り上げるために侃々諤々議論した経験が、その後、科学技術コミュニケーション教育に関する修士論文を書くときに生きました。

ーー福島に帰り4月から会社に勤める遠藤君はとくにそうですが、二人ともこれで大きな区切りを迎えます。「今後の抱負を」などと私から唐突にたずねられても答えに困るでしょうが、良かったら一言ずつ聞かせてくれませんか。

遠藤高専時代の専攻を生かす方向で化学メーカーで働くことになったわけですが、大学院やCoSTEPで学んだ科学技術コミュニケーションも、そこに組み合わせる形で生かしていきたい・・・とは思いますが、そんな話が具体的にできるのはもう少し先かもしれません。まずは新しい職場でひたすら修行の日々になると覚悟しています。その中でも、新たな知識への貪欲さや、幅広い視野を持つことは忘れずにいたいです。

小松:現在の職場では、産学連携向けの研究紹介のウェブサイトの制作に少し携わっているほかは、広報に関わる仕事はほとんどしていないのですが、大学広報は私にとって今後も長く勉強していきたいテーマです。これからも自分なりにリサーチを続けていきたいと考えています。

  ◇

遠藤さん、小松さん、本当におめでとうございます。大学院での経験を生かして、さらに活躍されることを期待しています。

*1:きょうは札幌キャンパスにある学部・大学院が対象。函館キャンパス(水産学部・大学院水産学院)ではあす25日に挙行されます。

「デュアルユース」と名のつくもの〜科学技術の進展が抱える両義性を再考する〜(公開シンポジウム)


私たちの身の回りにある多くの技術には、軍事・民生の両方の目的で用いられるような両義性があり、科学技術の持つこうした性質は「デュアルユース(dual use)」と呼ばれます。このデュアルユースを主題としたシンポジウムを、来月12日、北大の鈴木章ホールで開きます。

今年度末で退職される杉山滋郎・特任教授も講演されることになっており、杉山先生の北大における実質的な「最終講義」ともなるかとも思います。三上もパネルディスカッションの司会者として登壇させていただきます。

当日は午前中、同じ会場で、CoSTEP受講生らによる2015年度の成果発表会も行われます。

ぜひ多くの方にお集りいただければと思います。

参加ご希望の方は、下記の申し込みフォームからお早めにお申し込みください。
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/formmail/107/

以下、シンポジウム主催者からのお知らせを転載します。

公開シンポジウム「デュアルユース」と名のつくもの 〜科学技術の進展が抱える両義性を再考する〜

日時

2016年3月12日(土)14:00〜17:30(開場・受付/13:30)

場所

北海道大学フロンティア応用科学研究棟レクチャーホール

参加費

無料

参加申込フォーム

http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/formmail/107/

ここ数年、「デュアルユース」という言葉を新聞等で目にする機会が急増しました。「デュアルユース」とは、軍事と民生の双方に応用可能な科学・技術や研究を指します。また、研究成果が意図に反してテロ等の破壊的行為に悪用・誤用される両義性もデュアルユースと呼ばれます。科学技術がデュアルユースなのは当然だ、という考えもありますが、それで済ませていいのでしょうか。

これまで日本でも軍事研究は一部で行われていましたが、競争的資金によって大学や研究機関の参加がより制度化されているのが昨今の日本の流れです。研究環境に国家安全保障という枠組みが導入されることによって、どのような影響があるのでしょうか。

また、このような科学技術政策というトップダウンの流れとは別に、ボトムアップの流れもあります。例えば、3DプリンタDIYバイオなど、これまで高度な設備と組織がなければできなかったことが、個人レベルでも実現できるようになってきています。市民研究者もデュアルユース問題と無縁ではありません。

このような状況の中、研究者や市民はどのようにデュアルユース問題と向き合えばよいのでしょうか。今回のシンポジウムでは、この複雑で曖昧なデュアルユース問題について、2名のゲストの講演をもとにひも解いていきます。小山田さんは科学技術政策を専門としており、デュアルユース政策について昨今の状況を、日本だけではなく海外の事例も交えて整理して頂きます。杉山さんには科学史の見地から、過去にあった「デュアルユース」問題と、それをめぐっての研究者の動向についてお話し頂きます。

主催

北海道大学CoSTEP/理学院自然史科学専攻科学コミュニケーション講座

共催

北海道大学理学研究院物理学部門/物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(ALP)

修士論文発表会、一般教育演習の懇親会など

昨日2月3日の午後、情報教育館3階の教室で、理学院科学コミュニケーション講座の修士論文発表会がありました。当研究室からは、遠藤恭平さん、小松美由起さんの二人が、先月提出にこぎつけた修士論文の内容を報告しました。CoSTEPのスタッフの方々や論文ゼミのメンバーなども、仕事や研究の合間をぬって駆けつけてくれました。

遠藤さんの研究テーマは「理工系学生にとっての科学技術コミュニケーション教育の意味に関する研究」。CoSTEP本科を受講した大学院生らへのインテンシブなインタビュー調査に基づき、理工系学生らにとっての科学技術コミュニケーション教育体験の意味を探求しました。また、かれらが科学技術コミュニケーションに関する問題意識を深めるきっかけをつくるワークショップモジュールを試行し、そのプロトタイプを提案しました。

小松美由起さんの研究テーマは「大学広報における科学技術コミュニケーターの役割:広報誌制作過程の分析を中心に」。ある年度にCoSTEP実習チームが担った、北大広報誌『リテラポプリ』の編集過程に1年間密着したエスノグラフィーを中心とした論文です。加えて、科学技術コミュニケーターとしてのCoSTEPチームが参画して制作された広報誌の強みと課題を明らかにするため、読者約70人に対するモニター調査も実施しました。

それぞれ約20分ずつ報告し、その後10分間ずつの質疑応答を行って、無事に発表を終えました。

発表会前日の2日夜には、少しフライング気味でしたが、遠藤さん、小松さんの修士論文提出を祝って「お疲れ様&壮行会」を開きました。修論生二人も含め、研究室の教員や大学院生、論文ゼミのメンバーなど12人が参加し、にぎやかな集まりになりました。

今週は飲み会が続きました。昨夜は、今学期1年生向けに担当した一般教育演習「聞く力・話す力のトレーニング」の学生たちが、授業の打ち上げを開いてくれました。半年間、授業を頑張ったことへの大変うれしいプレゼントとなりました。「飲み会」と言いましたが、全員が1年生の集まりで、およそ半分のメンバーは未成年でしたので、全員お酒はなしでしたが、お腹いっぱい食べてたくさん話して、とても楽しいひとときでした。「全員が成人したら、今度はお酒を飲みに行こう」と約束して別れました。

そして今日は朝から、大学院修士課程・博士後期課程の入学試験(二次募集)がありました。怒濤のごとく色々なことが押し寄せた三日間でした。

今日は立春。札幌は明日から雪まつりです。大学では、一つの年度がまもなく終わり、また新たな年度へと切り替わるための準備が着々と進んでいきます。

雑誌『科学技術コミュニケーション』合評会のご案内(2月21日)

第5回目となる「JJSCを読む会」(雑誌『科学技術コミュニケーション』の合評会)を下記の通り開催します。今回は同誌第18号の小特集「シンポジウム「研究成果をなぜ発表しどのように伝えるのか〜科学と社会のより良い関係をめざす〜」の中から5本をとりあげます。

いずれもSTAP問題を題材として、研究成果の発表や広報について論じた論考です。

論考の著者の中から内村直之さん(科学ジャーナリスト、CoSTEP客員教授)も出席し、ディスカッションに加わる予定です。(写真は第4回「JJSCを読む会」の様子です)

第5回「JJSCを読む会」

http://hos2.sci.hokudai.ac.jp/rj/

日時

2016年2月21日(日)13:30〜17:00

会場

北海道大学情報教育館4階 共用多目的教室(1)
札幌市北区北17条西8丁目(北図書館の隣の建物です)
地下鉄南北線北18条」駅から徒歩10分/JR「札幌」駅北口から徒歩25分
▼地図 http://d.hatena.ne.jp/nmikami/00000003

参加費など

参加無料。事前申込み不要。当日直接会場へお越しください。

とりあげる論考と評者

前半では、小特集の中からシンポジウム講演の再録4編を対象として、それぞれを手短に読み合わせます。それを踏まえて後半では、小特集の総説にあたる内村直之氏(科学ジャーナリスト、CoSTEP客員教授)の報告をとりあげて合評し、研究成果の発表をめぐる諸問題について議論を深めます。当日は内村氏も出席し、討論に加わる予定です。【司会:本宮大輔・杉田恵子】

  1. 中村征樹「研究成果の発表と研究倫理 : STAP問題から考える」『科学技術コミュニケーション』第18号:81-89頁.(http://hdl.handle.net/2115/60396)【評者:岡崎朱実】
  2. 南波直樹「STAP問題から何を学ぶか : 広報の視点から」『科学技術コミュニケーション』第18号:91-97頁.(http://hdl.handle.net/2115/60397)【評者:小松美由起】
  3. 永山悦子「研究成果を報じる「喜び」と「苦しみ」」『科学技術コミュニケーション』第18号:99-108頁.(http://hdl.handle.net/2115/60398)【評者:櫻木正彦】
  4. 榎木英介「科学の事件は社会からどう見られているか : 「中間的な専門家」の必要性」『科学技術コミュニケーション』第18号:109-115頁.(http://hdl.handle.net/2115/60399)【評者:吉田大輝】
  5. 内村直之「議論で見えた研究成果発表の「なぜ」「どのように」」『科学技術コミュニケーション』第18号:165-172頁.(http://hdl.handle.net/2115/60404)【評者:三上直之】
主催

「JJSCを読む会」実行委員会

共催

北海道大学大学院理学院自然史科学専攻科学コミュニケーション講座

協力

北海道大学CoSTEP

その他
  • 今回取り上げる論考のほか、『科学技術コミュニケーション』の掲載記事は、すべて同誌のウェブサイト(http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/jjsc/)から無料でダウンロードできます。
  • 「JJSCを読む会」実行委員会は、上記の共催・協力組織の教員や大学院生、受講生など有志若干名で構成します。今回の実行委員(*印=責任者)は、川本思心、杉山滋郎、種村剛、三上直之*、本宮大輔です。
問い合わせ先

「JJSCを読む会」についてのお問い合わせは、次のアドレスまでメールでお願いします。rj[a]hos2.sci.hokudai.ac.jp([a]を@に変えてください)