mikami lab.@名古屋大学 大学院環境学研究科 環境政策論講座

名古屋大学大学院環境学研究科 環境政策論講座の三上直之のサイトです。2023年10月に北海道大学から現所属に異動しました。

2024年度第Ⅱ期(2024年4月入学)募集要項が発表されました

大学院環境学研究科の2024年度第Ⅱ期(2024年4月入学)募集要項が発表されました。
下記の環境学研究科の入試のページでご覧ください。
https://www.env.nagoya-u.ac.jp/admission/index.html

三上は、社会環境学専攻環境政策論講座で博士前期課程・博士後期課程の学生を受け入れます。気候市民会議を始めとする環境政策への市民参加、気候変動対策と民主主義、その他 環境ガバナンスや環境政策、科学技術と社会、科学技術コミュニケーションに関連するテーマに、環境社会学科学技術社会論のアプローチをベースとして取り組みたい方を広く募集します。学部や修士課程までの出身学部、研究科等、専門分野は問いません。

願書受付期間は2024年1月4日〜1月11日(日本時間16:00)ですが、事前審査が必要な志願者については別途、事前審査の締切日もあります。

三上を指導教員として入学を希望・検討されている方は、できるだけ早めにご連絡ください。研究室訪問やオンラインでのご相談も随時受け付けています。

この研究室で学びたい方へ

三上は2023年10月1日付けで、北海道大学から名古屋大学大学院環境学研究科社会環境学専攻へ異動しました。同専攻の環境政策論講座で、博士前期課程(修士課程)、博士後期課程の大学院生を受け入れます。例年、8月頃(第I期)と2月頃(第II期)の2度、入学試験が行われており、次の入試(2024年4月入学)は2024年2月頃にあります。募集要項は12月頃に発表される予定です。入試に関する情報は、下記のウェブサイトをご覧ください。関心のある方はメール等でお気軽にご相談ください。

www.env.nagoya-u.ac.jp

 

【NC日記】第15週:2022年9月5日-9月11日

9月5日(月)

1:40頃、目が覚める。日本では月曜日の午前中。その後、科研費書類の提出が順調に進んでいるかが気になり、事務局の担当者に確認のメールを送る。確か今日の日本時間の16:00が、大学から学振への提出期限だったはず。すぐに返信があり、本日大学から学振に提出されることになっているとのこと。それを聞いて安心する。少し仕事をして、また就寝。

7:40頃、起床。36.8℃。起きて仕事。オックスフォード会議の主催者である、グラハム・スミスさんらには、コロナに感染したことを先週のうちに伝えたあったが、最終的に欠席することにした旨を連絡した。残念だが仕方がない。グラハムさんから「自分の経験からも、休息が一番大事」との思いやり深い返信が届く。よく休んで早く回復しよう。研究はそれからだ。

11:05 36.9℃。午後は経費精算や家計簿など、お金関係の雑用をして過ごす。21:00過ぎに就寝。

9月6日(火)

4:40起床。36.5℃。ここまでしっかり熱が下がったのは初めてのような気がする。ただ、昨夜からのどの炎症が復活しているような感じがあり、引き続き要注意。6:00から1時間半ほど、脱炭素化技術ELSIプロジェクトのテクノロジーアセスメントの研究会。電気自動車のELSIについて、松浦さんの情報提供をもとに意見交換。起きて仕事はするものの、やはり非常に疲れやすく、仕事をしては横になる、また起きて仕事をしてすぐに横になる、というのを繰り返す。雑用を片付けつつ、EVについての本などを読みながらゴロゴロして過ごす。

午前中に3度目となる検査をしてみたが、まだやはり明確に陽性だった。

パンデミックの最中に首相官邸でパーティーを行った件などの不祥事がもとで、7月に保守党党首を辞任していたボリス・ジョンソン氏の後任首相に、リズ・トラス氏が決まった。

9月7日(水)

引き続き自宅で療養。毎週水曜日の定例ミーティングはお休みにしてもらった。7:45の検温は36.9℃。

明日はまた国会図書館のオンライン研究会(第5回)がある。今度は自分自身が、担当の章(リスクコミュニケーションの基礎)について報告しなければならない。休み休みその準備を進める。司会については、一昨日、八木さんから代わってくださるというお申し出があった。ありがたい助け舟。お言葉に甘えてお願いすることにした。午後いちで(日本の時間では19:00過ぎになってしまった)、打ち合わせに代えて進行についてのメールを八木さんに送った。

18:30は36.6℃。熱は順調に下がってきている感じがある。

9月8日(木)

3:15 36.4℃。熱はだいぶ下がったみたい。報告準備を続ける。

7:00からオンラインで国会図書館の研究会。いつもは研究室に行っていたが、今日は宿舎から。私と標葉さん、国立衛生研究所の吉松さん(田中幹人さんが共著)の3人が、それぞれ「リスクコミュニケーションの基礎」「科学技術ガバナンスとリスクコミュニケーション」「リスクコミュニケーションとメディア」について報告。八木さんに司会をしていただいて、どうにか無事に終わった。自分の報告についても、まだまだの内容だったが、書きぶりや盛り込むべき要素などについて貴重な指摘を色々と頂けた。

この研究会、当初は報告者と国会図書館の担当の方、数人が参加してこじんまりと(半ば義務的に)やることになるだろうと思っていたが、蓋を開けてみると、毎回、20人ぐらいの出席者があり議論も大変活発。予想外の盛況ぶりに編者としてはほっと一安心。全6回の研究会も、あと1回を残すのみ。ここまでスムーズに乗り切れているのは、共著者や国会図書館のスタッフの方々のご尽力と、諸々の調整を一手に引き受けてくれているKrさんのおかげ。

研究会の後、2日ぶりに4回目の検査。Tのラインがだいぶ薄くなった。が、まだ依然として陽性。

12:23 36.7℃。午後は、ベッドでゴロゴロしながら、コロナにかからなければ現地で出席しているはずだった、オックスフォード大学での気候市民会議に関する研究会をオンラインで傍聴。聞き取りにくいところが多いのと、体調が万全ではないので、話についていくのがつらい。

夕方近くに、エリザベス女王が危篤というニュースが流れてくる。BBC Radio4NHKの第1放送みたいなチャンネル)をつけていると、ニュース速報が入り

英王室は8日夕、エリザベス女王が滞在中のスコットランド・バルモラル城で亡くなったと発表しました。96歳でした」

とのこと。死去を受けてチャールズ皇太子が国王(チャールズ3世)となった。首相の交代の次は、女王が逝去とは。自分がイギリスに来た直後に在位、70年のお祝いをしたばかりだったのに。

これを受けて、明日の研究会はプログラムが変わったり、部分的に中止になったりするのかな、などと思ったりするが、オンラインなので周りに聞くこともできず。昨日は研究会の報告準備で寝不足だったので、20:00頃就寝。

9月9日(金)

6時まで熟睡した。研究会をオンライン傍聴する前に8:48に検温。36.7℃。まだ少し高い感じ。昨日と同じように、宿舎でゴロゴロしながら気候市民会議の研究会をZoomで聴く。エリザベス女王が亡くなったことについては、少なくともオンラインで聴いている自分にわかるような形での明確な言及はなかった。プログラムにも特段の変更はなく進行した。このあたり、いかにもイギリスらしいと思う。もちろん、個人や集団によってかなり反応が異なるのだと思うけれど。メディア、といっても自分がアクセスしているのはBBCラジオと宿舎の食堂で見られる地上波のテレビ数チャンネル、それにガーディアンの電子版ぐらいだけれど、これらはいずれも女王の逝去と、チャールズ新国王の即位のニュース一色である。

研究会では、日本語にも翻訳されて話題になった『グッド・アンセスター』(松本紹圭訳、あすなろ書房)の著者、ローマン・クルツナリック氏の報告もあった。この本、自分はまだ読んでいなかったのだが、フューチャー・デザインやミニ・パブリックスのことにも触れられていることを知った。早速、手に入れて読もう。講演中でも、フューチャーデザインのことを日本におけるユニークな実践・研究として紹介していた。この報告を聞けたのは、大きな収穫であった。

9月10日(土)

昼頃に、通算5回目の検査をし、ようやく陰性を確認。ショッピングモールに出かけてみると、至るところにエリザベス女王の肖像が掲げられて、弔意を示すメッセージが出されていた。

エリザベス女王が亡くなった直後のショッピングセンターの様子

9月11日(日)

朝9時から、オンラインでミーティング。10月にイギリスに訪ねてきてくれるMさん、Tさんと、スタディツアーについての打ち合わせ。

陰性になって、体調もだいぶ戻ってきたので、午後は外出することに。7月下旬に時間が足らずに行けていなかった、ニューカッスル市内のWallsendにある「ハドリアヌスの長城」の遺跡を見に行く。7月に見た他の遺跡と同様に、要塞が発掘されたり、復元されたりしていた。Wallsendという地名が付いているように、ここが長城の終点だったというわけだ。

メトロのWallsend駅

Wallsend駅内の案内表示は英語とラテン語の2言語表記になっている

【NC日記】第14週:2022年8月29日-9月4日

8月29日(月)

土曜日の夕方に着いたスカイ島を、昨日はミニバスのガイドツアーで1日見て回り、くたびれていたので、スーパーで買った弁当をホテルの庭で食べて、早く就寝した。4時頃起床して、動き出す。科研費の書類の仕上げの続き。金曜日に共有した最終版に近い原稿に対して、週末の間に、研究分担者からコメントや激励のメールが届いている。それらに改めて目を通して返信などをしているうちに、エンジンがかかってきた。

学内手続きの関係で今日中には提出しなければならない。書類としてはほとんど完成していて、提出しようと思えばすぐにできない状態ではない。夕方には離れるスカイ島を、今日もよく見ておきたいという気持ちもあり、書類は早々に片付けてしまいたいという気分に駆られる。が、ここからさらにどこまで推敲できるかが、一読してのわかりやすさや、「ん?これは?!」と思わせる迫力を生み出せるかの分かれ目になるということが、この種のものを読む側に回った経験からわかる。そして、読んでもらう側(こちらの方が格段に機会が多かったわけだが)としては、この粘りを欠いたために、伝えるべきことを伝えられなかった数々の苦い体験が思い出される。というわけで、推敲はやめられない。

途中で頭の中をスッキリさせたくて、朝食の後、ホテルの周りを30分ほど散歩。静かな住宅地やグラウンドなどのあるところを、約3キロ歩いた。

ホテルの周辺を散歩

道路標識や通りの名前、駅名などはゲール語と英語の2言語表記です

その後、ホテルの部屋で申請書の推敲作業を続ける。何時ごろチェックアウトしたかもあまりよく覚えていないが、途中でチェックアウトし、ロビーのテーブルで作業の続き。12:30過ぎに、電子申請システムから送信を完了した。(ちなみに、ここで研究者が「送信」すると、所属機関(私の場合、北海道大学)の事務担当者が申請書にアクセスできる状態になる。これから事務担当者の方で諸々の手続きを経て、大学から日本学術振興会へ提出される)

次の目的地であるインバネス行きのバスは17:45発。もう4時間ぐらいしか残っていない。天気は良く、島内で見たいところはまだ色々とあるのだが、残り時間でどこか行って帰って来られるところはあるだろうか。ホテルに荷物を預けて、観光案内所へ歩いて行って相談すると、バスを使って行き来するようなところは、残り時間だと厳しいけれど、ポートリーの町中から直接歩いて行ける短いハイキングコースがあるから、そこに行ってみてはと勧められる。この「スコリーブレイ・サーキット」は『地球の歩き方』にも手軽に歩けるコースとして紹介されていて、何もなければこれしかないかなと思っていた候補ではあった。書類を出し終えて気分は軽かったこともあり、あと2〜3時間、何もせず過ごすのももったいないので、行ってみることにした。

結果的には大正解。海岸沿いの高台を歩くコースで、景色が変化に富んでいて、天気が最高に良かったこともあって、楽しいハイキングとなった。6キロほどの距離を2時間ぐらいかけて、途中、休みながら景色を楽しみ、ゆっくりと歩いた。

ポートリーの港。カラフルな家がかわいい

かなり疲れてますが、天気は最高でした

スコリーブレイ・サーキットから入江を望む。海だと思うのですが、地図にはLoch Portleeとあり「湖」という位置付けらしいです

草を食む牛たち。その奥の水面に生け簀が見えますが、町に戻ったら何を育てているのか質問しようと思いながら、忘れてしまいました

標識にもコース名(スコリーブレイ・サーキット)がちゃんと書かれています

町に戻ってパブで腹ごしらえし、17:45のバスでインヴァネスに向かう。途中、日暮れどきにネス湖の横を通ったが、そういう目で見るからだと思うが(笑)、いかにも「何か出てきそう」な雰囲気だった。

8月30日(火)

午前中は仕事と、市内で博物館の見学。昼からバスツアーでネス湖への半日バスツア(ジャコバイトツアー)ーに参加。39ドル(約6000円)は安くはないけれど、湖のクルーズとアーカート城の見学、行き帰りのバスでも運転手さんのガイドが付いていて、良心的な内容だった。ツアー参加中までは、ちょっと疲れた感じはあったけれど、元気だったのだけれど、夕方インバネスに戻ってから翌朝にかけて、のどの痛みとだるさが……

8月31日(水)

夜の間、症状はおさまらず、5:00頃起床。最終日31日は、帰途にスターリングに立ち寄って夕方にニューカッスルに帰るプランだったのだが、その予定をとりやめて、朝一番のロンドン行きの列車に乗ってニューカッスルに直帰。12:50、ニューカッスル中央駅着。スーツケースを引いて徒歩で宿舎まで戻る元気はあった。昼ご飯を食べて荷物を片付け、15:00過ぎに検温。37.1℃。相変わらず微妙な体温。他の自覚症状としては声の出にくさ。本当にコロナなのかどうか、という感じ。明日は早朝(日本時間の午後)にリモートで自分が代表従事者(編者)を務めている、国会図書館の研究会があるので、とにかく早く休む。20:30頃就寝。夜中に3回もトイレに起きた。

9月1日(木)

4:30起床。37.1℃。のどの痛みと全身のだるさは変わらない。特に良くも悪くもなっていない感じ。7:00からオンラインで国会図書館調査の研究会。田中豊さん、八木絵香さん、工藤充さんの3人の報告と討論。自分が代表なのでいつものように司会を務めなければならないが、明らかに声を出すのが大変。普通の体調ではないが、どうにかやりきる。研究会は9:00に無事、終了。

9:30頃 検温36.6℃。

10:00 発熱は落ち着いているものの、そろそろ感染しているのかどうか、はっきりさせたい。少し調べてみると、キャンパス内の学生会館(Student Union)で検査キットを無料配布しているとのこと。行ってみると、検査キットが7つ入った箱をくれた。早速検査してみると、くっきり陽性の結果。回復するまでにはしばらく時間がかかりそうだ、ということで、研究室から必要な荷物を持ち帰り、宿舎にこもる態勢を整える。

今週末から来週にかけて、以前から楽しみにしていた予定が二つあった。その一つは、明日から週末にかけて、20代の頃からの友人がドイツから訪ねてくることになっていた。早速、チャットで感染した旨を連絡する。飛行機もホテルも今さらキャンセルできないということで、友人も相当困惑した様子。ともかくニューカッスルには行くとのこと。感染自体は自分の落ち度ではないとはいえ、とても申し訳なく感じてしまう。

彼が来たら、一緒に行こうと思っていた市内の観光スポットなどの情報を、チャットで送る。明日、明後日は会うのはちょっと絶望的だろうが、もしかしたら日曜日か月曜日にでも、万が一、陰性になっていれば、屋外でちょっと会うぐらいのことはできるかもしれない。何はともあれ、まずは休養だ。

12:45 36.8℃。咳が出る。これがどこまで続くのかはわからないが、少し症状が変わってきている感じはする。

8月中旬から2週間、ポーランド東部の町でウクライナ避難者支援のボランティアのプログラムに参加していた娘が帰国。電話で様子を聞く。

9月2日(金)

ドイツから友人がニューカッスルに来る日。

4:50 36.6℃。平熱(はたぶん36.0℃ぐらいだと思う)に比べると高めだが、体温は低め。まだ起きてすぐ、早朝だからか。引き続きベッドに横になっておく。

考えてみれば、もし日本にいたら、職場に届け出たり直前の行動から濃厚接触者を割り出したりとかいうことが必要な状況だろう。イギリスにいるので、そんな必要はなさそうだけれど、一応、職場と情報共有しておいた方がよいかもと考え、研究部長にメールで報告。

7:00頃 朝食を食べる。食欲もあり、味覚の異常もまだ出ていない感じだ。

8:35 37.1℃。起きてしばらく経つと、体温が上がってくる。食事をした影響もあるかもしれない。

9:00 環境社会学会の仕事でオンラインミーティング。昨日の研究会とは違って、自分は一委員なので、話し続ける必要はないので助かる。委員長や他のメンバーの方の温かいご配慮でなんとかやり終える。

11:20 会議を終えて検温すると、36.4℃。急に熱が下がった。なぜかはよくわからない。先ほどの37度台が、食事の後だったから、ということなのかもしれない。昨日から出るようになったせきは続いている。

午後、ロンドンにいるHさんにメール。前から楽しみにしていた、二つの用事のもう一つが、来週、オックスフォードに行って気候市民会議についての2日がかりの研究会に参加する、ということだった。Hさんとは、一緒にこれに参加して、その後、別途研究のディスカッションをする予定だった。コロナ陽性になってしまったので、研究会に行けないかもしれない、というメールを送る。

すぐに返信があって、Hさんの長年の英国生活の経験から、色々とアドバイスをくれた。例えば「NHSダイレクト」(111番)というサービスがあり、救急車を呼ぶほど緊急でないが困った時は、まずそこに電話すると良いと教えてくれる。NHSは国営の国民保健サービス National Health Service である(イギリスにも日本と同じような国民皆保険制度がある)。111番に電話すると、看護師さんが電話で助言などをくれるのだという。症状が軽く、そこまで深刻な感じではないものの、もしものことを考えると不安はある。何せ外国だし。経験者の情報がもらえるというのは、大きな安心感。A friend in need is a friend indeed.

15:00頃 今日の飛行機でドイツから到着した友人から電話。少し話す。少なくとも今日、明日は一人で観光するとのこと。非常に残念で、申し訳ないけれど、やむを得ない。

16:00 今のところ、非常に穏やかな症状で推移しているのは不幸中の幸いである。が、万が一、症状が重くなって医療機関を受診する必要が出てきた時に備えて、自分でも少し調べ始める。日本を出る時に、1年分をカバーする海外旅行傷害保険に入ってきている。(当然のことだが)自腹で、ん十万円も払って買った保険なので、こんな時に活用せねばもったいないと考え、保険会社のアシスタントセンター(日本語対応のフリーダイヤル)に連絡。あらかじめ病院でも紹介しておいてもらおうと思ったのだが、必要になったらまた電話してくださいとのこと。また、重症だったり緊急だったりしないかぎりは、Zoomなどを使ったオンライン受診が中心になるとのことだった。本当に急を要する時は病院の救急救命室に行ってくださいとのことだった。(ちなみに救急救命室ER(emergency room)は、イギリスではaccident and emergencyの略でA&Eと言うことが多いみたいだ)

18:30 夕食。食欲と味覚にはまだ問題はない。できあいのラザニアを温めて食べる。食後に体温を測るのは間違った習慣なのだと思うのだが、どうしても食べる前に測るのを忘れてしまい、今回もまた食後に検温すると37.2℃。症状はのどの痛みとせきに、鼻水が加わるようになっている。

9月3日(土)

5:30頃、目覚める。時々うつらうつらの時間はあったが、6時間ぐらいは熟睡できた。のどの痛み、鼻づまりはだいぶおさまった。とにかくのどを使わないことが大事みたいだ。36.9℃。とりあえずもう少し眠れないか試みる。

5:50 横になっているが目覚めたままだと、やはり鼻水が出る。もう少し眠らないといけない。

8:00頃 Hさんから電話。40分ぐらい話す。

11:00頃 インスタントコーヒーを飲む。味覚が弱まっている感じがする。その後、40〜50分ぐらい眠る。起床後、昼食。イギリスに来てすぐに非常用に買ってあった、ラムと野菜の煮物のレトルトパックと、いつものM&Sのレトルトご飯。ほとんど味覚がなくなっていることに気づく。ついに来たか。食後、36.8℃(今回も食べる前に測るのを忘れた笑)。

食後、溜まっている仕事にとりかかる。遠藤さんが書いてくれている「さっぽろヒグマ市民会議」(今年2月にオンラインで実施)の報告書の原稿チェック。だるさはそこまでないのでなんとかやれるだろうと思って始めたが、1時間ほどで疲れてしまう。一旦休憩。ベッドに横になる。

16:30頃、起床。気づいたら2時間ほど眠ったらしい。肺のあたりに鈍い痛み。なんだか嫌な予感。要注意。36.9℃。報告書の原稿チェックの続き。

23:45 今日最後の検温。36.6℃。

9月4日(日)

5:00頃 36.6℃。のどの痛み、腫れた感じはだいぶおさまった。6:00頃、再度検温。36.8℃。熱はまだ上がってくるのか。動こうとすると、だるさがある。

8:15 36.9℃。微熱はまだあるということだ。とりあえず軽く朝食を食べ、少し時間をおいてから、検査キットを使って検査をすることに。

9:20頃 検査。まだくっきりと陽性だった。これは意外と時間がかかるかもしれない。起きて少し仕事。前期にリモートで担当した大学院の講義(科学技術社会論)の成績をつける。

11:00頃から40分ほど眠って、すっきりした。37.1℃。体温自体は昨日、一昨日あたりとあまり変わっていない。採点の続きをやって、終了。

12:40 Jens(ドイツの友達)から電話がある。宿舎の前まで会いに来てくれるとのこと。マスクをして外で一瞬だけ会ってくることに。

Jensが宿舎の近くまで会いに来てくれた。キャンパス内を少しだけ一緒に散歩した。写真はCivic Centre前の公園のベンチで

宿舎に戻って、ヒグマ報告書のチェックの続き。

19:00頃、同じフロアの部屋に、新しい入居者が来る。ドイツ出身の医学生。1階に入居する友人も一緒に。到着早々にこんな話ですまないけれど、コロナにかかってるのでしばらく気をつけねて、と伝える。

20:00すぎに就寝。盛りだくさんの1週間だった。

 

 

異動のご報告

9月末で北海道大学から転出し、10月1日付で名古屋大学へ異動することになりました。大学院環境学研究科 社会環境学専攻環境政策論を担当することになります。

9月9日に行う、在職中はたぶん最後となる北大での講義に合わせて、CoSTEP(北大の科学技術コミュニケーション教育研究部門)や研究室の仲間が下記のような催しを企画してくれました。

一般公開で行います。ご参加希望の方は下記のフォームから事前登録をお願いいたします(8月13日〆切)。

https://forms.gle/CGsBALHKjhZXERy6A

以下、主催者からの案内をそのまま掲載します。

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三上直之と100人の市民カイギ
100 Friends' "Assembly" with Mikami Naoyuki

https://ssn.cambria.ac/archives/2869

三上直之さん(北海道大学 高等教育推進機構 准教授)が、2023年10月より名古屋大学 大学院環境学研究科(教授)に転任することが決まりました。三上さんは科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)の初代スタッフとして北大に着任して以来、18年間にわたってサイエンスコミュニケーションに関わる研究教育活動や自治体を巻き込んだコンセンサス会議の実践に取り組みました。また、昨年(2022年)から1年間イギリスに滞在しました。そこで、海外の事例なども合わせて紹介してもらうために、3部に渡るイベントを企画します。三上さんの研究と実績を若い方をはじめ多くの方と共有し、引き継いでいくために「三上直之と100人の市民カイギ」と題したイベントを実施します。多くのみなさまの参加を心よりお待ちしております。

日時

2023年9月9日(土)13:00〜(開場12:30)

会場

北海道大学 高等教育推進機構 S1講義室(第1部・第2部)・カフェdeごはん(第3部)

対象

どなたでも参加できます/以下の申込フォームに8月13日(日)までに入力してください。
https://forms.gle/CGsBALHKjhZXERy6A

詳細ページ

https://ssn.cambria.ac/archives/2869

プログラム

13:00~14:45 第1部:CoSTEP講義「ミニ・パブリックスと参加・熟議のデザイン」
重要な公共的課題についての意思決定に、幅広い市民が参加して議論するための仕組みとして、無作為選出などにより社会の縮図となる一般の人びとを集めて話し合う「ミニ・パブリックス」という方法があります。その代表的な手法であるコンセンサス会議や市民陪審討論型世論調査などは、科学技術への市民参加にも国内外で長く用いられてきました。近年では、気候変動対策にこの方法を応用した気候市民会議が、欧州を始めとして、日本を含む世界各地で行われるようになっています。参加者の無作為選出、バランスの取れた情報提供、参加者同士の熟議、結果の政策決定などへの活用という4つの設計上の特徴に注目してミニ・パブリックスについて学びつつ、科学技術に関わる社会的な問題の解決に向けて人びとが共に考え協働するための参加と熟議のデザインについて考えます。
また、2005年のCoSTEP設立以来取り組んできた参加・熟議の実践についてもふりかえります。
※第1部はCoSTEP講義を特別に一般公開します(対面受講のみ)。公開にあたっては申し込みフォームに記載されている注意事項を遵守するようにお願いします。

14:45~15:00 休憩

15:00~16:30 第2部:「三上直之さんと語る」(詳細は近日中に掲載します)
※対面とZoomのどちらでも参加可

17:00~19:00 第3部:懇親会
・カフェdeごはん(北大正門入ってすぐ左手)
・会費:4,000円(当日懇親会会場で徴収)

主催

100人の市民カイギ実行委員会
実行委員会(50音順):池田貴子、大津珠子(代表)、片岡良美、川本思心、川本真奈美、郡伸子、中村景子、松本(小川)ちひろ、宮入隆

共催

北海道大学CoSTEP/北海道大学科学技術コミュニケーション研究室

英国から帰国しました

2022年5月から1年間、「脱炭素社会への転換と民主主義の革新・深化との統合的実現に関する国際比較研究」(科研費 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A)、18KK0318)の一環として、英国のニューカッスル大学に滞在していましたが、5月24日に帰国しました。

滞在中の出来事は、このサイトでも一部、「NC日記」として掲載してきましたが、また機会を見つけて、続きをご報告できればと思っています。

FacebookTwitterにも、身辺雑記が中心ですが、在外研究中のレポートを載せています。

https://twitter.com/nmikami

https://www.facebook.com/naoyuki.mikami/

『シリーズ 環境社会学講座』全6巻の刊行がスタート

環境社会学の講座としてはおよそ20年ぶりとなる『シリーズ 環境社会学講座』全6巻(新泉社)の刊行が始まりました。

第一弾は藤川賢・友澤悠季編の第1巻『なぜ公害は続くのか——潜在・散在・長期化する被害』。13の章と3つのコラムが代表的な事例を幅広く取り上げて解説しつつ、環境問題を引き起こす構造の根深さを「公害」の切り口から論じています。

第2巻以降も続々、刊行予定です。この企画には三上も編集委員として参加していて、第6巻『複雑な問題をどう解決すればよいのか』の編者を、宮内泰介さんと共に務めています。

《新刊》
1 なぜ公害は続くのか(藤川賢・友澤悠季編)
https://www.shinsensha.com/books/5499/

《続刊》
2 地域社会はエネルギーとどう向き合ってきたのか
3 福島原発事故は人びとに何をもたらしたのか
4 答えのない人と自然のあいだ
5 持続可能な社会への転換はなぜ難しいのか
6 複雑な問題をどう解決すればよいのか

https://twitter.com/env_socio_shin

◎シリーズ 環境社会学講座 1
『なぜ公害は続くのか——潜在・散在・長期化する被害』
藤川賢・友澤悠季/編
四六判/320頁/2500円+税
ISBN978-4-7877-2301-7
2023.4.10発行
2023.4.5頃発売開始

公害は「過去」のものではない。
問題を引き起こす構造は社会に根深く横たわり、差別と無関心が被害を見えなくしている。公害の歴史と経験に学び、被害の声に耳を澄まし、犠牲の偏在が進む現代の課題を考える。公害を生み続ける社会をどう変えていくか——。
〈公害の歴史が教えるのは、見えていたはずのものが不可視化されていく過程である。その背後には、環境侵害の影響を背負わされるのが社会的に弱い立場の人びとに偏るという、公害の最初期から続く社会構造もある。公害の「解決」を強調する動きが、実は公害発生の経緯を引きずるものであり、現在の環境問題にも影響を与えているのであれば、不可視化の仕組みに注意し、それに対抗する方法を考える必要がある。——編者〉

目次から主な内容
序章 不可視化される被害と加害……藤川 賢・友澤悠季
I 公害とは何か
第1章 足尾銅山鉱煙毒事件にみる公害の原型……友澤悠季
第2章 新潟水俣病にみる公害被害の現在……関 礼子
第3章 日米の産業廃棄物問題と草の根環境運動……藤川 賢
コラムA 複合公害としてのアスベスト問題……堀畑まなみ
II 環境的不公正の潜在と拡大
第4章 なぜカネミ油症被害者は被害を訴え続けなければならないのか……宇田和子
第5章 熱帯材と日本人——足下に熱帯雨林を踏み続けて……金沢謙太郎
第6章 マーシャル諸島発「核の正義」を求めて……竹峰誠一郎
第7章 環境正義運動は何を問いかけ、何を変えてきたのか……原口弥生
コラムB 環境過敏症という名の「公害」……堀田恭子
III 公害は終わっていない
第8章 NIMBYと「公共性」……土屋雄一郎
第9章 水俣病にとっての六五歳問題——「先天性(胎児性)という問い」から……野澤淳史
第10章 「記憶」の時代における公害経験継承と歴史実践……清水万由子
第11章 環境リスク社会における公正と連携への道……寺田良一
コラムC 公害地域再生が目指すもの……林 美帆
終章 不可視化に抗うために……藤川 賢・友澤悠季

https://www.shinsensha.com/books/5499/