日本工学教育協会で報告
9月10日まで北海道大学で開かれている、日本工学教育協会年次大会「近未来を拓く工学教育」の特別セッションで報告させていただきました。
技術者倫理の教材として広く活用されている「ギルベインゴールド」のケースを題材に、技術者倫理とコミュニケーションの接点について考える、というセッションでした。
私は会員ではないのですが、セッションを企画された先生からのお誘いで参加させていただきました。リスクをめぐる対話の場のデザインの例として、コンセンサス会議の方法について紹介しました(「リスクをめぐって対立する当事者間のコミュニケーション」)。
ギルベインゴールドは、あるハイテク企業による汚染物質の垂れ流しについて、技術者が内部告発する話です。この事例をリスクコミュニケーションの失敗事例として捉え、登場人物らのコミュニケーション上の問題点を指摘したうえで、コンセンサス会議のような対話の場のデザインから学べることとして、次の3点を強調しました。
- 論点を共同で構築し、真の対立点を突き詰める重要性
- 論点に応じた専門知識の導入、情報提供
- 対話と協働の営みとしてのリスクコミュニケーション
活発なディスカッションがあり、終了後も、技術者倫理の研究者や、企業で技術者教育をされている方とお話しすることができ、非常によい刺激を頂きました。ありがとうございました。