mikami lab.@名古屋大学 大学院環境学研究科 環境政策論講座

名古屋大学大学院環境学研究科 環境政策論講座の三上直之のサイトです。2023年10月に北海道大学から現所属に異動しました。

ミニ・パブリックスとは何か? 17分でわかる動画はこちら

ミニ・パブリックスとは、無作為抽出などの方法を使って、ある社会の縮図となるよう一般の人たちを十数人から数百人集めて話し合いを行い、その結果を政策決定などに用いる市民参加の手法の総称です。我々の研究室でも、科研費などの助成を受けてこれらの手法を用いた会議を実際に開く社会実験を重ね、ミニ・パブリックスを日本社会で活用する可能性を研究しています。

ミニ・パブリックスとはどんなものであり、具体的にどんな手法のバリエーションがあって、実際の会議はどのように行われるのか。どんな利点があり、日本で用いる際の問題点はどのへんにあるのか。そうした基本的な情報についておたずねいただくことがしばしばあります。

そこで、ミニ・パブリックスについて手っとり早くわかる情報源をご紹介します。

17分で「ミニ・パブリックス」がわかる動画

http://www.hbc.co.jp/tv/d-college/07.html
【動画】「ミニ・パブリックスって何だ?〜私の議論が政治を変える〜」
http://www.hbc.co.jp/tv/d-college/07.html

HBC北海道放送制作の「道民カレッジほっかいどう学大学放送講座」で、2013年にミニ・パブリックスをテーマとした講義を行いました。その内容が今でもHBCのウェブサイトで見られます。「パート1」から「パート3」に分かれていて、全体では約26分ありますが、まずはパート1(約9分)とパート2(約8分)をご覧ください。ミニ・パブリックスがどんなものか、最低限のことが分かります。

もう少し詳しい話をブックレットで

市民の日本語へ―対話のためのコミュニケーションモデルを作る

市民の日本語へ―対話のためのコミュニケーションモデルを作る

この本の中の一つの章(「市民意識の変容とミニ・パブリックス」)で、もうちょっと詳しくミニ・パブリックスについて書いています。ミニ・パブリックスが必要とされる社会的背景や、得られる五つの効果も含めて、約30ページで解説しました。

ミニ・パブリックスの活用を検討したい行政や市民活動関係の方、レポートや卒業論文などのためにミニ・パブリックスについて調べる必要があり、まずは手っとり早く概要をつかめる資料を探している学生の方などにおすすめです。

一冊まるごとミニ・パブリックスの本:さらに踏み込んで知りたい方へ

討議デモクラシーの挑戦――ミニ・パブリックスが拓く新しい政治

討議デモクラシーの挑戦――ミニ・パブリックスが拓く新しい政治

題名からも分かるように、ミニ・パブリックスをテーマにした本です。討論型世論調査とコンセンサス会議、プラーヌンクスツェレ、市民陪審、市民討議会という代表的な五つのミニ・パブリックス手法について、1章ずつを割いて詳しく紹介しています。私は「コンセンサス会議」の章を担当しました。

「討議デモクラシー(deliberative democracy)」の観点から、ミニ・パブリックスの理論的な位置づけについても論じています。

実際にミニ・パブリックスを使おうとしている方や、このテーマについて深く知りたい、学びたい学生・研究者の方はもちろんのこと、新たなデモクラシー、政治のすがたに関心のあるすべての方に読んでいただきたい一冊です。