mikami lab.@北海道大学 科学技術コミュニケーション研究室

北海道大学で科学技術コミュニケーション・科学技術社会論を担当している三上直之のサイトです

志摩市民1500人に「海とまちづくりに関する調査」を行います

昨年春から4年間の計画で、立命館アジア太平洋大学の山下研究室との共同研究「干潟再生事業における住民認識に根ざした新・環境コミュニケーションモデルの構築」*1を行っています。今年度は、沿岸で遊休地となっている農地などを海に戻す干潟再生の事業が5年前から行われている三重県志摩市で調査をしています。住民の方々の海とのかかわりや、「新しい里海」づくりを目指すまちづくりの取り組みについて、住民や関係者の皆様にお話をうかがったり、現場を見学させていただいたりしています。

このたび、研究の一環として、志摩市内に住む高校生以上の方から無作為に選んだ1500人の方々に「志摩の海とまちづくりに関する調査」という質問票調査(写真)をお願いすることになり、昨日、1500通の質問票を郵送しました。

調査対象者の抽出や質問票の発送には、志摩市役所の皆様の多大なご協力を頂きました。また質問票の作成にあたっては、志摩市役所や地元住民の皆様、環境省志摩自然保護官事務所を始めとする関係機関の皆様にも数々のご助言、ご協力を頂戴しました。厚く御礼申し上げます。

お送りした調査票は2月12日(金)、13日(土)頃、協力をお願いする1500人の皆様のお手元に配達される予定です。質問票を受け取られた方で、この記事をご覧になっている方がもしいらっしゃいましたら、ご回答にご協力くださいますよう重ねてお願い申し上げます。ピンク色の質問票にご記入の上、同封の返信用封筒に入れて、2月29日(月)までに郵便ポストにご投函くださるようお願いいたします(切手を貼っていただく必要はありません)。

頂いたご意見は、志摩市はもちろんのこと、日本全国や世界の海辺の町での取り組みに役に立つものとなります。どうかご協力くださいますようお願いいたします。

ちなみに、私自身にとって海辺の町でのフィールドワークは、大学院博士課程の時以来、およそ10年ぶりです。当時調査していた東京湾では、埋立計画の中止で残された干潟と浅瀬(三番瀬)をいかに良い状態で保全し、より豊かに再生するかが課題となっていました(『地域環境の再生と円卓会議』日本評論社)。そのための一つの方策として、既存の埋立地三番瀬の場合、農地ではなく工業用地でした)を湿地化して海に戻すという議論もありました。この話、東京湾ではまだ実現するところまで至っていませんが、志摩市の英虞湾ではそれが実際に行われ始めているわけです。10年ぶりの海辺での調査で、当時取り組んだテーマを再訪する格好となりました(写真は、市内の展望台からみた英虞湾。5月にはここで先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれます)。

この研究は来年度以降、英国やオランダ、マレーシアでもフィールド調査を行い、最終年度となる2018年度には、日本で干潟再生をテーマとした国際会議を開く予定です。研究の様子については、このウェブサイトでも時々ご報告したいと思います。

*1:科研費基盤研究(B)、課題番号:15H02873、代表:山下博美・立命館アジア太平洋大学准教授