mikami lab.@名古屋大学 大学院環境学研究科 環境政策論講座

名古屋大学大学院環境学研究科 環境政策論講座の三上直之のサイトです。2023年10月に北海道大学から現所属に異動しました。

【NC日記】第13週:2022年8月22日〜28日

8月22日(月)

6:40頃、研究室へ。国立国会図書館の調査「科学技術のリスクコミュニケーション」の第2回研究会。

科研費の申請書を大学から日本学術振興会に提出する最終期限は9月5日だが、手続のため、遅くとも来週初めには学内の担当部署に提出しなければならない。あと1週間。明らかに作業が遅れている。ひとまず、研究会が終わった後すぐ、研究分担者に宛てに、申請書本文のうち現在読める状態になっている2ページ分を送って状況報告。研究室にこもって書類を書き続ける。

8月23日(火)

今週は、オーストリアインスブルックECPR(European Consortium for Political Research)大会が開かれている。会場で参加したかったが、コロナ対策の一環として報告がない人はリモート参加のみという方針なのでZoomで傍聴する。申請書を書きつつ、時々手を休めて学会を視聴する。Democratizing Democratic Innovationsのストリームに興味深いセッションが多数ある。全部聴いていると申請書が進まないので、Stephenが報告する気候市民会議についてのセッションなど、いくつかに絞って傍聴。

今日は終日宿舎で、ECPRを時折視聴しつつ、基本的にはパソコンにかじりついて申請書を作成した。

8月24日(水)

午前4時から1時間、脱炭素化技術ELSIプロジェクトのミーティング。メンバーの予定が合う時間がなかなかとれず、この時間に。

朝7時半ごろ大学へ。8時からオンラインで北大の研究室のスタッフと、事務と研究、それぞれの定例ミーティング。終了後、11:00から東京都杉並区の住民グループ「ゼロカーボンシティ杉並の会」が主催するオンラインセミナーで講演。予定の1時間半ではさばききれないほど多数の質問が出た。6月に初当選した岸本聡子区長や、区の環境部の人たちも参加していた。岸本区長は6月の選挙時に、気候市民会議の設置を政策に盛り込んでいる。杉並区では、どんなふうに気候市民会議が活用されるのか注目したいし、こうした現場で住民と行政の協働によって熟議プロセスが建設的な形で用いられるよう、側面からサポートするような研究を行いたい、と改めて思った。

午後はまた学会参加と申請書作成。20時頃、宿舎に帰る。長い1日だった。

8月25日(木)

前日に続き、午前4時から脱炭素化技術ELSIプロジェクトのミーティング。今年度後半に実施するワークショップの議題を絞り込む議論。終了後すぐ、5時からは科研費の申請のため研究協力をお願いする行政関係者とのミーティング。終了後すぐに支度して、6:20頃、宿舎を出る。

7:00から国立国会図書館の第3回研究会。この研究会では、各回2〜3人ずつの分担執筆者に、最終的な報告書で担当する章の執筆構想や、そのために進めている調査・検討の内容を報告していただいている。企画した時点では、分担執筆者には報告を担当する回には最低限参加していただくにせよ、その他の参加者は代表者である私と国立国会図書館のスタッフぐらいだろうと想像しており、こじんまりと開くイメージでいた。ところが始まってみると想像以上に出席率が高く、国会図書館側からも直接の担当者以外にも参加があり、ほぼ毎回20人程度の参加者で活発に議論が行われる研究会になっている。

終了後、科研費の申請書作成作業の続き。考えている申請内容を、逐一スタッフのKrさんに口頭や文章で共有し、それに符号する形で経費の積算作業を進めてもらってきた。どうにか完成に近づいてきたが、ハイランド行きまでに完成させることはできなかった。

8月26日(金)

日本時間の金曜日午前中には、現時点での申請書案を一度、研究分担者・協力者に共有しておきたいということで、午前2時頃、送信した。まだ1〜2割空欄のところが残っているのと、文章の推敲や積算の精査はまだ必要だが、どうにか提出できそうな感じにはなってきた。この申請書を持ってハイランドに出かける。提出は出先からだ。

昼前には一度作業を切り上げ、いつもの床屋で散髪の後、金曜日なので学食でフィッシュ&チップス。

昼休み、いつもの中庭

部屋に戻って荷物の準備。17時頃、徒歩で中央駅へ。17:55の列車でグラスゴーまで行く。今月2度目のグラスゴーだ。クイーンストリート駅に近いホテルに泊まる。

8月27日(土)

朝、ホテルで比較的ゆっくり朝ご飯(Full Breakfast)を食べてから、スーツケースを持ってブキャナン・バスステーションへ。10:00発のバスに乗り込む。ゲール語で「翼」の島、という意味の「スカイ島(Isle of Skye)」のポートリーまで約7時間の旅。自分で運転しなくてよいのは気楽。天気が素晴らしく。移り変わるハイランドの景色を堪能した。ただ車内はそれなりに込み合っていて、コロナ感染については若干の不安がある。マスクをして過ごした。

これから山に行きます、という感じの乗客が目立つ(グラスゴーのブキャナン・バスステーション)

グラスゴーからスカイ島に向かうバスの中。基本的に満員

見渡す限りの荒野と湖の中を行く

夕方、ポートリーのホテルにチェックイン。湖が見える静かで快適な部屋。イギリスに来て3カ月、大学の宿舎では毎日、朝から深夜まで車の騒音がある。夜、静寂の中で眠りにつけるのは、それだけで幸せだ。申請書の仕上げもしながらの旅なので、これは助かる。明日は誕生日。とてもありがたいプレゼントである。

ポートリーのホテルの部屋からの眺め

スカイ島で迎えた誕生日

8月28日(日)

49歳になった。湖水地方で参加したのと同じようなミニバスによるツアーで、スカイ島を一周。湖水地方以上に、最果て感のある景色を堪能。乗客は十数人で、バスはほぼ満席だったが、マスクをしている人はほとんどいなかった。自分もほとんどの時間、外して過ごした。アメリカから来た若い女性3人組や、隣に座った大学院生の中国人男性(法学専攻)などと途中、話しながら楽しく過ごす。

島の西端、ネイスト・ポイント(Neist Point)。散策を終えてバスに戻る15分ほどの間に、霧に包まれてしまった

Uigの町の近く、Fairy Glenという場所

そそり立つ巨岩、Old Man of Storr(オールド・マン・オブ・ストール)。昔は周辺を航海する船の目印にもなったという

1日中、車に乗っていて、18時頃解散した時にはくたくただった。外で食事する元気がなく、ポートリーのスーパーで弁当を買って帰る。夕方、飲み物を持ってホテルの庭に出てくつろぐ。今日は誕生日ということで、実家の親への近況報告をビデオメッセージにしてみた。

明日は月曜日。いよいよ申請書を仕上げて提出しなければならない。作業は朝早く起きて再開することにし、早めに就寝した。