mikami lab.@名古屋大学 大学院環境学研究科 環境政策論講座

名古屋大学大学院環境学研究科 環境政策論講座の三上直之のサイトです。2023年10月に北海道大学から現所属に異動しました。

毎日新聞の書評欄(評者・内田麻理香さん)に取り上げていただきました

先月発売となった拙著『気候民主主義――次世代の政治の動かし方』を、6月25日(土)の毎日新聞朝刊の書評欄で、東京大学内田麻理香さんに取り上げていただきました。

事前に毎日新聞の紙面に次回の書評で扱われる本や評者の予告が出ることもあり、内田さんが毎日新聞で書評してくださるという情報はあらかじめ聞いていましたが、どんな形で取り上げていただくことになるのか、掲載までの数日間、楽しみにしていました。

mainichi.jp

本書の要旨を、とてもコンパクトに、正確かつわかりやすく伝えていただいた上で、「著者自身が携わった二つの気候市民会議の取り組みを紹介しているが、これらの事例から、日本でも確実に気候民主主義の芽が育まれているという希望を見出(みいだ)すことができる」と評していただきました。

これはさすがだと感心するしかなかったのは、最後のパラグラフ。

日本は「自粛の要請」や「罰則化しないがマスク着用を要請」に代表されるような、法的根拠を伴わない、国からのお願いベースで、コロナ禍を乗り切りつつあるように見える。しかし気候変動の危機は、このような「ゆるふわ」運用で対応できる問題ではないだろう。ちょうど参院選も目前だ。今こそ、自分ごととして気候変動と民主主義を両にらみして考え直す、絶好の機会ではないだろうか。

「気候民主主義」という議論がなぜ必要かを、だれもが理解できるパンデミックの経験と結びつけ、明快に論じていただきました。「「ゆるふわ」運用」という表現が何ともいえず絶妙です。記事の見出しも

「ゆるふわ」では対応できない

となっており、これで読者は一発で「「ゆるふわ」だとダメって、何の話???」と引きつけられると思いました。自分も含めて、動物のキャラクターなど「ゆるふわ」系が好きな人は多いので。しかし、気候変動や感染症対策は「ゆるふわ」ではいけません。

記事はウェブ版で拝見しましたが、日本にいる家族から、紙面では読書欄の左肩に大きく掲載されていたと教えてもらいました。

ご書評、本当にありがとうございました。

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