mikami lab.@北海道大学 科学技術コミュニケーション研究室

北海道大学で科学技術コミュニケーション・科学技術社会論を担当している三上直之のサイトです

政府主催の討論会の計画に対して意見書を提出

政府はこの夏、将来的に原子力発電をどの程度減らすのかも含めた、新たなエネルギー政策の方針を決定するにあたり、いったん選択肢を提示し、その後、国民的議論を経て最終的な政策決定を行ないたいとの方針を示しています。その国民的議論を促す一つの方法として、資源エネルギー庁が新しいタイプの討論会を計画していることが、先週明らかになりました。

実施に向け受託業者を募集するための仕様書(6月22日発表)を見ると、明記はされていませんが、当研究室でもここ数年研究に取り組んでいる討論型世論調査(Deliberative Polling)の手法にならったものであることが分かります。

こうした本格的な熟議型の手法を用いて、国民的議論を喚起しようとする方針自体は、評価されてよいと思います。ところが、公表されている仕様書を見ると、これを討論型世論調査と呼ぶにはかなり問題があることが分かりました。

この種の手法を研究・実践してきた者として、手法の賢明な利用のために欠かせない事項を早めに指摘しておく必要があると考え、他の研究者らとともに、「「革新的エネルギー・環境戦略の策定に向けた国民的議論の推進事業」の問題点について」と題する意見書をとりまとめ、経済産業省資源エネルギー庁に提出するとともに、先ほどウェブサイトなどで公表しました。