雑誌『科学技術コミュニケーション』合評会のご案内(10月8日)
恒例のJJSCを読む会(雑誌『科学技術コミュニケーション』合評会)を下記の通り行います。今回は先日発行された第25号から、種村剛さんらによる討論劇についての報告をとりあげます。
種村さんたちのグループでは、2016年から毎年、CoSTEPの実習の一環として、先端科学技術をめぐる論争をテーマとした演劇を上演し、演劇を通じた科学技術コミュニケーションの可能性を追求しています。今年7月には、種村さんの原案をもとに、生体埋込型のIoT技術をテーマとした会話劇が、札幌の劇団「弦巻楽団」とCoSTEPのコラボレーションで、市内の小劇場において上演されました。
今回取り上げる論考は、この会話劇のプロトタイプとなった、CoSTEP実習での討論劇イベント「その時、あなたは埋め込むか?~討論劇で問う生体 IoT を用いた健康管理の是非~」の制作記です。とくに、先端科学技術を扱った討論劇のテーマ選択や登場人物の設定のあり方について、詳しく検討しています。
合評会には筆頭著者の種村さんも出席します。論考の内容を中心に、討論劇を用いた科学技術コミュニケーションの可能性について議論したいと思います。
第12回「JJSCを読む会」(『科学技術コミュニケーション』合評会)
日時 2019年10月8日(火)18:30-20:00
会場 北海道大学情報教育館4階 共用多目的教室(1)
札幌市北区北17条西8丁目(北図書館の隣の建物です)
地下鉄南北線「北18条」駅から徒歩10分/JR「札幌」駅北口から徒歩25分
▼地図(Googleマップが開きます) https://goo.gl/rCT67f
参加無料、事前申込み不要。当日直接会場へお越しください。
とりあげる論考
種村剛・大津恵実・秋田郁美・鈴木花・六角美鈴・岩澤大地・大澤康太郎・熊谷まりな・吉本拓郎・米田鈴枝・古澤輝由「先端科学技術を扱う討論劇におけるテーマおよび登場人物の設定についての考察」『科学技術コミュニケーション』第25号:17-32頁.(http://hdl.handle.net/2115/75056)
※評者(報告者)は決めずに、自由に意見交換します。とりあげる論考に目を通した上でご参加ください。筆頭著者の種村氏も議論に参加する予定です。
主催 北海道大学 科学技術コミュニケーション研究室
共催 北海道大学大学院理学院 科学コミュニケーション講座
協力 北海道大学CoSTEP
その他
・今回とりあげる論考のほか、『科学技術コミュニケーション』の掲載記事は、すべて同誌のウェブサイト(http://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/jjsc/)で自由に閲覧できます。
・問い合わせ先(科学技術コミュニケーション研究室・三上)
rjjsc[a]high.hokudai.ac.jp([a]を@に変えてください)
大学院入試の募集要項配布と説明会
2020年度(令和2年度)理学院入試の募集要項の配布が、先週から始まっています。試験は2019年8月22日、23日(科学コミュニケーション講座は22日のみ)です。配付は理学院の窓口及び郵送で行っています。また下記の所からダウンロードも可能です。
日本語版募集要項
http://www.sci.hokudai.ac.jp/graduateschool/entrance/recruitment/
英語版募集要項 (English)
http://www.sci.hokudai.ac.jp/graduateschool/en/entrance/recruitment/
科学コミュニケーション講座では、進学を検討されている方向けの説明会も下記の通り行います。
科学コミュニケーション講座 説明会
https://sc.sci.hokudai.ac.jp/examination/briefing
日時:2019年6月30日(日)13:00-14:30
場所:北海道大学理学部5号館 2階 5-205
https://www.sci.hokudai.ac.jp/graduateschool/access/
※事前申込不要
「脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル」政策担当者のための報告書
▼報告書(PDF)はこちらからダウンロードしてご覧ください
大阪大学や国立環境研究所、名古屋大学、明治大学、日本科学未来館による共同研究として行っているJSPS科研費基盤研究(B)「地球規模かつ超長期の複合リスクのガバナンスにおけるミニ・パブリックスの役割」(JP17H01927、基盤研究(B)、2017-19年度)の一環として、2019年3月2日、3日に北海道大学情報教育館で、「脱炭素社会への転換と生活の質」をテーマとした市民パネル(市民陪審)の社会実験を行いました。
札幌市および周辺8市町村(人口約250万人)の縮図となるよう、同地域に居住する18歳以上の一般市民から抽出した18名(男女9名ずつ)の参加者が、7名の専門家による証言を聞きつつ、あらかじめ設定した3つの論点について約15時間かけて議論し、最終的には、全員の合意で結論をまとめました。
参加者による結論では
- 気候変動は放置すれば地球的規模で生態系を破壊し、人類、特に将来世代の生存権さえ侵害しかねない大変な問題だと認識していること
- 脱炭素化は成し遂げなければならないことであり、取り組み方次第で、パリ協定の実質排出ゼロ目標は達成できる可能性はあるが、実現するハードルは非常に高いと認識していること、
- 他方で、脱炭素社会への転換は必ずしも生活の質に対する脅威となるわけではなく、生活の質を向上させる機会ともなり得ること
などが主張されています。
この結論とそこへ至る一連の過程は、異なる意見を有する一般の人びとがバランスのとれた情報提供を受け、互いに議論することにより、気候変動問題に対する理解が深まるとともに、将来にわたる転換を新たなチャンスとして前向きに捉えるような意見が形成される可能性を示すものと言えます。
詳細は、政策担当者のための報告書(第1版)をダウンロードしてご覧ください。
巻末には、主たる参考人を務めた国立環境研究所の江守正多氏(地球環境研究センター・副センター長)による、情報資料も付録として収録しています。
なお、より詳しい分析・考察等は今後、本報告書の改訂版や論文等の形で公表していく予定です。公表されましたら、このウェブサイトでもご報告させていただきます。
「脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル」傍聴者募集(参加無料・要事前申込み)
気候変動対策に関する新しい国際的取り決め「パリ協定」が2016年に発効し、21世紀後半に温室効果ガスの排出を実質的にゼロにするという目標が、世界的に共有されました。これから数十年の間に、エネルギーの使い方を始めとするライフスタイルや、経済・社会のあり方にも大きな変化が求められることになります。
この脱炭素社会への転換は、私たちの生活の質に、いったいどのような影響を及ぼすでしょうか。またそもそも温室効果ガスの排出を実質的にゼロにするという目標は、どれくらい実現可能性があるものでしょうか。こうした問いをめぐって、3月2日・3日、北海道大学において、一般から募った18人の討論者が話し合う、市民陪審形式の市民パネル会議を行います。
道内外の専門家が一堂に会するこの機会に、気候変動対策と私たちの生活の質との関わりについて広く知っていただくため、この会議の傍聴者を募集します(直接議論に参加する討論者は別途募集しており、一般公募しません)。皆さんのお越しをお待ちしています。
▼チラシのダウンロード
詳細は チラシ(pdf) をご覧ください。
日時・プログラム(公開部分)
2019年3月2日(土)11:00 〜 3月3日(日)17:00
丸2日間にわたる市民パネル会議のうち、討論者18名が、議論の参考とするため専門家から話を聞く「参考人ヒアリング」と、2日目の最終部に行う「討論者による評議のまとめ・結果発表」を、公開で行います。
- 1日目:3月2日(土)11:00〜16:25(受付開始:10:30)
《参考人ヒアリング①〜③》
論点1:気候変動の影響はどれくらい深刻か?
論点2:今世紀後半に実質排出ゼロを目指す長期目標は実現可能か?
論点3:脱炭素社会への転換は生活の質にどんな影響を与えるか? - 2日目:3月3日(日)16:00〜17:00(受付開始:15:30)
《討論者による評議のまとめ・結果発表》
会場
北海道大学情報教育館3階 スタジオ型研修室(札幌市北区北17条西8丁目)
▼地図(Googleマップ) https://goo.gl/rCT67f
参考人としてお話しする専門家
- 江守 正多(国立環境研究所 地球環境研究センター 副センター長、市民パネル実行委員)
- 西岡 秀三(地球環境戦略研究機関(IGES) 参与)
- 山地 憲治(地球環境産業技術研究機構(RITE) 理事・研究所長、東京大学名誉教授)
- 芥川 智子 ・ 小野 理 ・ 鈴木 啓明(北海道立総合研究機構 環境科学研究センター 環境保全部 気候変動担当)
- 岡崎 朱実(NPO法人北海道グリーンファンド理事、北海道地球温暖化防止活動推進員)
ファシリテーター
- 八木 絵香(大阪大学COデザインセンター准教授、市民パネル実行委員)
参加無料・定員50名(事前にお申込みください)
参加申込み方法
参加申込みは先着順に受け付けます。2月28日(木)までに、専用申込みフォームまたはE-mail、お電話にて、氏名・所属・連絡先・参加希望日をお伝えください。
- 専用申込みフォーム http://u0u0.net/Q7eb
- E-mail jury2019@high.hokudai.ac.jp
- TEL 011-706-6069(北海道大学 高等教育推進機構高等教育研究部門)
主催:脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル 実行委員会
後援:北海道、札幌市
協力:公益財団法人北海道環境財団、RCE北海道道央圏協議会
この市民パネル会議は、科学研究費補助金基盤研究(B)「地球規模かつ超長期の複合リスクのガバナンスにおけるミニ・パブリックスの役割」(課題番号17H01927、研究代表者=北海道大学高等教育推進機構准教授・三上直之)の一環として行います。
雑誌『科学技術コミュニケーション』合評会のご案内(2月5日)
恒例の「JJSCを読む会」(雑誌『科学技術コミュニケーション』の合評会)を下記の通り開催します。
今回は、昨年暮れに発行された第24号の中から、CoSTEP13期生を対象とした意識調査をもとにした論文「科学技術コミュニケーター養成教育がもたらす科学技術コミュニケーション意識の変容」をとりあげます。
著者でCoSTEP教員の奥本素子さんも議論に加わる予定です。皆様ぜひご参加ください。
第11回「JJSCを読む会」
日時
2019年2月5日(火)18:30-20:00
会場
北海道大学情報教育館4階 共用多目的教室(1)
札幌市北区北17条西8丁目(北図書館の隣の建物です)
地下鉄南北線「北18条」駅から徒歩10分/JR「札幌」駅北口から徒歩25分
▼地図(Googleマップが開きます)https://goo.gl/rCT67f
参加費など
参加無料。事前申込み不要。当日直接会場へお越しください。
とりあげる論考と評者
奥本素子「科学技術コミュニケーター養成教育がもたらす科学技術コミュニケーション意識の変容」『科学技術コミュニケーション』第24号:17-30頁.(http://hdl.handle.net/2115/72234)
- 評者(報告者)は決めずに、自由に意見交換します。とりあげる論考に目を通した上でご参加ください。著者の奥本氏も議論に参加する予定です。
- 今回取り上げる論考のほか、『科学技術コミュニケーション』の掲載記事は、すべて同誌のウェブサイト(http://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/jjsc/)で自由に閲覧できます。
主催
北海道大学科学技術コミュニケーション研究室
共催
北海道大学大学院理学院科学コミュニケーション講座
協力
北海道大学CoSTEP
問い合わせ先
科学技術コミュニケーション研究室・三上
rjjsc[a]high.hokudai.ac.jp([a]を@に変えてください)
公開研究会「無作為抽出型の市民参加の可能性ー地球規模リスクの問題への応用を考えるー」
社会的に意見の分かれるテーマについて、無作為抽出などによって一般から選ばれた人たちが話し合い、その結果を政策決定などに用いる「ミニ・パブリックス」という市民参加の方法があります。地域レベルの課題には日本でも広く用いられるようになっているこのやり方を、地球規模の環境問題や国のエネルギー政策に応用する動きが、近年、国内外で出てきています。
こうした動きもふまえて、昨年から、大阪大学や国立環境研究所、日本科学未来館、名古屋大学、明治大学などの研究者とともに「地球規模かつ超長期の複合リスクのガバナンスにおけるミニ・パブリックスの役割」(17H01927;2017-19年度)という共同研究を始めています。気候変動のような空間的・時間的にスケールの大きいリスクの問題に対処するうえで、このミニ・パブリックスの方法がどのように役立つのかを明らかにしたい、という研究です。
その一環として、来年(2019年)「気候変動対策と生活の質(仮)」をテーマとした市民パネル会議を、札幌市内で行うことを計画中です。脱炭素社会への転換という課題を地域における生活の質の維持・向上と合わせて実現する道すじを、一般から無作為に集めた参加者の議論を通じて探ります。その試行に基づいて、こうしたテーマにおけるミニ・パブリックスの可能性や問題点を明らかにすることを目指しています。
今回の公開研究会では、研究グループの主なメンバーが札幌に集まり、現在進めている研究についてお話しします。環境問題をめぐる参加や協働、対話のあり方などに関心をお持ちの皆様にお聞きいただき、率直なご意見、ご感想をうかがえれば幸いです。
日時
2018年6月17日(日)15:00-18:00
会場
北海道大学情報教育館4階 共用多目的教室(2)
札幌市北区北17条西8丁目(地下鉄「北18条」駅から徒歩10分)
- 会場へのアクセス(Googleマップが開きます) https://goo.gl/rCT67f
プログラム
(1)「気候変動対策と生活の質(仮)」というテーマ設定の背景と意味
江守 正多(国立環境研究所 地球環境研究センター副研究センター長)
(2)世界市民会議にはどのような意味があったのか
ー参加者側・主催者側から見たねらいと評価ー
(3)立場や意見が異なる人々との対話の場づくり ーその可能性と限界ー
八木 絵香(大阪大学 COデザインセンター准教授)
(4)「気候変動対策と生活の質(仮)」に関する市民パネル会議の計画
三上 直之(北海道大学 高等教育推進機構准教授)
それぞれの報告と質疑応答の後、フリーディスカッションを行います。
定員
30名
申込方法
6月15日(金)までに、下記の参加申込フォームにお名前とご所属、連絡先(メールアドレス)を記入し、お申し込みください。
- 【参加申込フォームURL】 https://goo.gl/3fyNCj
主催
北海道大学科学技術コミュニケーション研究室+ミニ・パブリックス科研費研究グループ
協力
公益財団法人北海道環境財団、RCE北海道道央圏
問合せ先
stc@high.hokudai.ac.jp (北大・科学技術コミュニケーション研究室)
この公開研究会は、科学研究費補助金基盤研究(B)「地球規模かつ超長期の複合リスクのガバナンスにおけるミニ・パブリックスの役割」(17H01927;2017-19年度、代表・三上直之)の一環として行います。
「次世代のエネルギー選択を考える」を大学院共通授業科目で開講
2018年度1学期(春ターム)に北海道大学大学院で「次世代のエネルギー選択を考える」と題した講義(1単位)を開講します。
福島第一原発事故を契機として、ひきつづき原発依存度の低減が求められる中、将来の日本のエネルギー需給をいかに構想すべきか。「エネルギーワークショップ」の手法と簡易版シミュレーションを使って、徹底的に議論します。科学に期待される役割が大きいが科学のみでは答えが出せない、「科学と社会のはざま」の問題に、異分野の人と協働してねばり強く取り組む能力を培う授業です。
同様の授業を、昨年、理学院専門科目「自然史科学特別講義IV」(計2単位)の枠で開講しましたが、今年は理学院以外の方も受講しやすいよう、大学院共通授業科目(1単位)で開講することにしました。理学院専門科目としても登録可能です。文系を含む、すべての分野の大学院生の受講を歓迎します。
受講希望者は初回の授業(4月9日)に必ず出席するとともに、所属の学院・研究科等で履修登録の手続きをしてください。
講義題目・授業内容(リンクをクリックするとシラバスのPDFが開きます)
- 次世代のエネルギー選択を考える(大学院共通授業科目)syllabus_kyotsu_energy2018.pdf
- 次世代のエネルギー選択を考える(理学院専門科目)syllabus_rigaku_energy2018.pdf
担当教員
理学院 自然史科学専攻 科学コミュニケーション講座の教員が担当します
- 三上直之 Naoyuki MIKAMI(科学技術コミュニケーション研究室/高等教育推進機構)
- 細川敏幸 Toshiyuki HOSOKAWA(科学教育研究室/高等教育推進機構)
- 重田勝介 Katsusuke SHIGETA(科学教育研究室/情報基盤センター)
- 川本思心 Shishin KAWAMOTO(科学技術コミュニケーション研究室/理学研究院)
- 松王政浩 Masahiro MATSUO(科学基礎論研究室/理学研究院)
開講日時
2018年4月9日(月)から6月4日(月)まで計8回(4/30を除く)
月曜・4限(14:45-16:15)
教室
北海道大学理学部5号館2階206室
連絡・問い合わせ先
三上 直之(この授業の責任教員、理学院 科学技術コミュニケーション研究室)
E-mail([at]を@に変えてください) mikami[at]high.hokudai.ac.jp